哲学特論

受講区分 学科 授業期間 履修年次 単位 担当者
  科専 後期 2・3・4 2 隈元 泰弘

授業の主題(テーマ)
ドイツ哲学の人間観 ――人間の弱さについて――

授業の目標(講義概要)
人は様々なことに悩みまた悲しむが、私達をもっとも悩ませ苦しませるもののひとつは、私達自身の「弱さ」であろう。しかし、自分の「弱さ」を十分に知るところにその克服への展望も開かれる。本講では、このような人間の「弱さと限界」と「その克服への展望」について、近世ドイツ哲学(18世紀から19世紀)を手がかりにして考えてみたい。

授業計画
第1章 カントの人間観
  第1節 カントの生い立ちとその歴史的背景
  第2節 知ることの限界
        ――知ることのできることとできないこと――
  第3節 人間として為すべきこと
  第4節 できることの限界と人間としての希望

第2章 フィヒテの人間観
  第1節 フィヒテの生い立ちとその歴史的背景
  第2節 呼びかけと呼びかけへの応答 
        ――自由の目覚め――
  第3節 人間の限界と限界からの出発

第3章 ヘーゲルの人間観
  第1節 ヘーゲルの生い立ちとその歴史的背景
  第2節 「主人と奴隷」の弁証法
  第3節 赦す良心
  第4節 自己形成の頂点と有限性の自覚

評価方法
期末試験による。出席状況も参考とする。

テキスト書名 編・著者名 出版社 価格
講義中に指示する。      

備考
哲学は意外に身近なものである。そして、人間の本質はそのような身近なところにある。このことを実感できるような講義としたい。哲学とは足元の深遠に目を注ぐことである。